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流動性リスク

不動産投資とは、あくまでも「投資」の一種。よって不動産投資にも、さまざまなリスクがともなうことを理解しておかなければなりません。 ここでは、不動産投資にともなう代表的なリスクの一つ「流動性リスク」について詳しく解説。物件選びの際の参考にしてください。

流動性リスクとは?

流動性リスクとは、「売りたいときに売れない」「買いたいときに買えない」というリスクのこと。主に「売りたいときに売れない」リスクのことを、流動性リスクと呼ぶ傾向があります。不動産市場や株式市場など、大なり小なり、あらゆる市場には流動性リスクが潜んでいます。

流動性リスクが生じる主な理由は、需給のアンバランス。「売りたい人がいるのに、買いたい人がいない」「売りたい価格と、買いたい価格が一致しない」「売りたい数量と、買いたい数量が一致しない」などです。

せっかく価値のある自己資産を持っていても、売れなければお金に代えることができません。お金に代えることができない資産を、果たして「価値があるもの」と言えるのでしょうか?そんな根本的な疑問さえ浮かんでしまいます。

不動産投資は流動性リスクが高い

結論から言いますが、あらゆる投資ジャンルの中でも、不動産投資は特に流動性リスクの高い投資と言われています。その主な理由は、不動産物件の価格が高額だから。加えて、一般に不動産を欲しいという人は、あまり多くないからです。

土地であれ建物であれ区分マンションであれ、通常、不動産の価格は数千万円~数億円です。このような高額な買い物をたやすくできる人は、世の中に限られているでしょう。

もちろん、融資を受ければ一般人でも購入が可能ですが、投資のために数千万円や数億円の融資を受ける勇気がある人は恐らく少数派。買い手が少ない状況となり、結果として流動性リスクは高くなります。

また、食料品や衣類などとは異なり、一般に不動産は購買ニーズが高い商品ではありません。高額なことに加えて購買ニーズも低ければ、当然ながら流動性リスクは高くなるでしょう。

ただし、初めから流動性リスクを意識して物件を吟味するならば、不動産投資の流動性リスクを低めに抑えることは可能です。詳細は後述しますが、流動性リスクの高さを理由に不動産投資を諦める必要は、まったくありません。

株式投資と不動産投資における流動性リスクの違い

株式投資の流動性リスクと比較すれば、不動産投資の流動性リスクをより明確に理解できるかもしれません。

株式投資の場合、証券取引所を通じて世界中の人たちが株を取引しています。

トヨタやソフトバンクなどの大型銘柄になると、「売りたい人」と「買いたい人」が絶えません。様々な価格での売り注文や買い注文が出されますが、大型銘柄であればあるほど、双方の価格が一致して売買が成立しやすいでしょう。

すぐにでも現金化したいならば、価格を指定しない「成行」という注文方法を選択することもできます。

それに対して不動産投資の場合、株式投資における証券取引所のような場所がありません。すべての取引は、「買いたい人」と「売りたい人」の個人交渉となります(相対取引と言います)。よって、売り手と買い手の価格が一致しなければ、いつまでも売買は成立しません。

また株式投資とは違って、「成行」の売り注文を出すこともできません。

以上の理由から、株式投資に比べて不動産投資のほうが圧倒的に流動性リスクが高い、と考えて良いでしょう。

不動産投資で流動性リスクを低く抑える方法

ここまでの説明から分かる通り、一般に不動産投資は、流動性リスクの高い投資法と考えて間違いありません。ただし、投資対象を検討する際に一定の工夫をすることで、流動性リスクを低めに抑えることは可能です。ポイントは次の2点です。

自分の目で物件を見て決める

不動産投資の仲介業者に対し、「この物件の流動性リスクは高いですか?低いですか?」とストレートに尋ねても、通常は「低いです」と答えてくるでしょう。「流動性リスクは高いのですが買ってください」などという営業マンは、存在しません。

だからこそ、営業マンの説明を鵜呑みにして物件を買うのではなく、実際に自分の目で物件を確かめてから決めることが非常に大事。物件の仕様や外観、駅からの利便性、近隣の買い物スポット、周辺の治安など、あらゆるものを「常識的な目」で確認すれば、おのずと流動性リスクの高低が見えてくるものです。

都心のワンルームマンションを選ぶ

「東京一極集中の排除」が叫ばれて久しい現代、現実はまったく反対に、地方から東京エリアへの人口流入が増加し続けています。事の良し悪しは別として、この傾向は、何らかの具体的な政策を打ち出さない限り、半永久的に続いていくことでしょう。

加えて昨今は、未婚率や離婚率の増加などを背景とした単身世帯の比率が増えてきたことから、不動産市場ではワンルームマンションの需要が増加しています。この傾向もまた、この先も続いていくことでしょう。

だからこそ都心部のワンルームマンションは、空室率が非常に低め。この先も低い水準で推移すると予想されています。

空室率の低い都心部のワンルームマンションであれば、「買って投資をしたい」という人も多め。地方の不動産に比べ、流動性リスクは低めと考えて間違いありません。

流動性リスクが高くなりがちな不動産には手を出さない

流動性リスクを低く抑えるためには、上で説明した2点を意識して行動してください。加えて、次の3点を避けて不動産投資を行いましょう。

利回りの高さだけで物件を決めない

不動産投資を予定する人にとって、利回りの高い物件であればあるほど、魅力的に見えます。購入価格が安いにも関わらず想定利回りが高いならば、なお魅力的な物件に見えることでしょう。

しかしながら不動産投資には、「おいしい話」などありません。価格に対して利回りが高めに想定されている背景には、高額な修繕費が必要だったり、その他の目に見えない問題が潜んで至りなど、それ相応の問題があります。

問題がある物件は、売りたくても売れない可能性があるでしょう。流動性リスクの観点からは、おすすめできる物件ではありません。

ファミリー向け物件や一棟物件は買わない

単身者向けの区分マンションに比べ、ファミリー向けの区分マンションや一戸建ては、賃貸ニーズが低いと言われています。

その理由は、少なくとも日本ではファミリー向けの住まいは、「借りるもの」ではなく「買うもの」という認識が一般的だからです。流動性の観点から言えば、ファミリー向け物件おへの投資は、あまりおすすめできません。

また、マンション一棟まるごと投資にも要注意。なぜならば、たとえアナタがマンション一棟を買う資金力があったとしても、大半の人にはその資金力がないからです。銀行融資を利用しても、なかなか買える人はいないでしょう。必然的に、流動性は低くならざるを得ません。

地方の不動産は避ける

地方から都市部への若年人口の流入が止みません。この先も、この傾向は続いていくことでしょう。

不動産物件は人が住むものである以上、この先も人口減少が予測されている地方の物件に投資をすることは、流動性の観点からも空室率の観点からも、ハイリスク。不動産投資をするのであれば、都市部の物件を選ぶことが基本です。

まとめ

以上、不動産投資における流動性リスクを詳しく解説しました。

不動産投資には、間違いなく流動性リスクが存在します。ただし、ポイントや注意点を意識して行動することで、流動性リスクを大きく減らすことは可能です。

不動産投資を行う際には、経験豊富な専門家に相談のうえ、流動性リスクが低いと予想される物件を選ぶようにしましょう。